全国都市計画GISビューア(試行版)の楽しみ方や、土地探しをする時の操作方法をカンタンに解説します。
こんな人におススメ
・進学、就職、転職などで急に土地勘のない場所へ引っ越すことになった
・新しい土地探しの方法を探している
・自分らしくいられる土地をじっくり探したい
この記事にまとめたこと
・このサービスでどんなことができるのか
・このサービスを使うメリットとデメリット
・具体的な新しい土地探しの提案
土地探しは意外と大変。
だからこそ、全国都市計画GISビューアを使った新しい土地探しの方法を試して、楽しく探しましょう。
全国都市計画GISビューア(試行版)とは?
全国都市計画GISビューア(試行版)とは、全国の都市計画情報を地図上で閲覧できるWebサービスです。
全国の都市計画情報(決定したもの)を地図に重ねて見ることができます。
土地探しや不動産取引、開発計画などに必要な情報が一つの地図上で閲覧できることで、希望や条件にあう土地を見つけやすくなりました。
このサービスで提供されている主な情報
都市計画とは、都市計画法に従って定められた土地利用方法、施設の整備や開発事業などに関する計画すべてを指す言葉です。
このWebサービスで閲覧できる都市計画の項目は、下記のとおりです。
都市(準都市)計画区域
区域区分
用途地域
特別用途地区
特定用途制限地域
高度地区
高度利用地区
都市再生特別地区
防火・準防火地域
都市計画道路・公園
風致地区
土地区画整理事業
地区計画
立地適正化計画
この中で「住む場所」を探している人が利用する項目は主に
都市計画区域
区域区分
用途地域
の3つです。
カンタンな用語解説を下部に用意しておきますので、目的に合わせてご利用ください。
全国都市計画GISビューア(試行版)|5つのメリット
全国都市計画GISビューア(試行版)には大きなメリットが5つあります。
・地図タイプが3種類から選べる。
・地図タイプで航空写真地図を選べば、よりはっきりと地域の特徴を掴むことができる。
・海、山、河川、湖などの地形の位置関係がわかる
・国道、都道府県道、高速道路などの主要道路との位置関係を確認できる
・主要鉄道の線路や駅がわかる
土地探しで意外と盲点なのが「土地の高低差」です。住宅ポータルサイトで「良いとこ見つけた!」と思っても、実際に行ってみると想像以上の坂だった、なんてことも。
あらかじめ地形と関係づけて土地を探せるのは、特に大きいメリットだと言えます。
全国都市計画GISビューア(試行版)|3つのデメリット
非常に便利なサービスですが、全国都市計画GISビューアは試行版(2025年3月25日現在)です。お試し期間ならではの3つのデメリットがあります。
・試行版であるため、情報が完全ではない場合や、最新の情報が反映されていない場合がある
・詳細な情報や最新の情報については、各自治体の都市計画担当部署に問い合わせる必要がある
・専門用語に関する注釈などは今のところ無く、都市計画の知識が多少必要である
区域区分や用途地域といった、都市計画の専門用語に馴染みのない方は、慣れるまでに多少時間が必要かもしれません。
全国都市計画GISビューア(試行版)の使い方
具体的な使い方を説明していきます。実際に操作しながら使い方を確認したい方は下記リンクボタンをクリックしてください。
基本の使い方1|ポップアップに同意する
ポップアップを下までスクロールし、注意事項を読む(①)
「同意して利用する」をクリック(②)

全国都市計画GISビューアは2025年3月25日現在試行版で、このページを検索すると最初にポップアップが表示されます。
注意事項を読み、「同意する」ボタンを押下する必要があります。
ポップアップに記載されている内容は全て重要ですが、特に理解しておくべき内容をまとめました。十分注意しましょう。
・別途PDF(リンクあり)に掲載された都市計画だけ反映済みであること
・変更されたり、最新の都市計画が反映されていない可能性があること
・常に最新の都市計画がオンタイムで反映されるわけではないこと
・あくまで参考程度に使って欲しいこと
・この試行版が原因でトラブルが起こったとしても責任は負えないこと
・著作権放棄はしていないので、ルールを守って利用してほしいこと
その他にも注意事項がありますので、ぜひご一読ください。
※基本の使い方2へ進む前に※
ポップアップに同意した後の画面で、画面左上にログインボタンが表示されますが、これは都市計画協会に会員登録をしている人のためのものです。ログインしなくても普通に使えますので、「基本の使い方2」へ進んでください。
基本の使い方2|背景と都市計画を選択
[背景]で地図タイプを選ぶ(③)
都市計画情報の中から、自分が知りたい都市計画にチェックを入れる(④)

[背景]の右端三角ボタンをクリック(プルダウン)すると、3つの地図タイプが表示されます。その中から自分が見やすい地図を選びましょう。
ドロップマークの付いたグレーのバーでは地図の濃淡が変えられます。
また、地図の操作方法はグーグルマップと同じです。
基本的な使い方は以上です。
特定の都市計画に関して知りたい人は、上記の使い方に従っていけば目的の情報が得られるかと思います。
この記事をご覧の方の中には
「初めて土地探しをする」
「不動産業に就いたことがない」
そんな人もたくさんいますよね。
そんな方々のために、このサービスの楽しみ方を考えてみました。
ぜひ下記から参考にしてください。
全国都市計画GISビューア(試行版)の楽しみ方
ここからは、全国都市計画GISビューア(試行版)を現在土地探し中のA子さんと一緒に使ってみましょう。
A子さんはこんな人です。
・現在在宅ワークのため、住む場所を選ばない。
・好奇心旺盛なので、土地勘が無い場所でもかまわない。
・気候の良いところがいいなぁと考えている。
・休日にはショッピングも楽しみたいと考えているため、できれば交通の便が良いところや、商業施設の近い場所がいいと考えている。
楽しみ方|気になる場所を拡大
どこかいいところはないかなぁ……?
そういえば以前友達が「静岡はあったかくて良いところだよ」って教えてくれたなぁ。
ちょっと静岡について調べてみよう!

A子さんは全国都市計画GISビューア(試行版)で、「静岡県」を調べてみることにしました。
背景を好きな地図タイプに選択したら、静岡県を拡大して表示します。
楽しみ方|都市計画区域をチェック
静岡はほとんど海側の平地に都市が集中しているんだ。

都市計画区域とは、都市として総合的に整備、開発、保全する必要がある区域のことです。
つまり、「大体人が生活しているエリア、都市として成立しているエリア」だといえます。
上図中のグレーに着色されている部分に「都市」が形成されていることがわかります。(楽しみ方1の図と比べてみてください)
楽しみ方|区域区分をチェック
市街化調整区域は「市街化をおさえている」ところで、家を建てられる条件が厳しかったはず。
だから、市街化区域の部分で探したいところ……ん??
市街化区域の面積が広い部分がある!(下図中赤丸部分)
どんな風に土地が使われているのか、拡大してみてみよう!

区域区分にチェックを入れると、市街化区域(ライトイエロー)と市街化調整区域(ライトグレー)の部分に色分けされます。
市街化区域は「すでに市街地を形成している区域や、おおむね10年以内に計画的に市街化を図るべき区域」です。住宅用の土地であれば、市街化区域内だと利便性の高い土地が見つかる可能性が高いです。
それ以外の土地に住宅を建てようとすると、様々な法律上の制約があると考えられます。
決して建てられないとは言えませんが、住宅用の土地なら市街化区域で探すのが無難だと言えます。
楽しみ方|用途地域をチェック

市街化区域内はさらに用途地域によって細かく分類されています。
用途地域の意味を全部理解するのも大変なので、ひとまずは商業系、工業系の土地以外で、住宅や住宅用の土地を探しましょう。
楽しみ方|詳細な地名をチェック

地名が分かれば、住宅情報サイトで希望の家賃や間取りを入力して家を探すことができます。
例えば第一種低層住居専用地域内の地名と、第一種住居地域内の地名をグーグルマップで検索し、ストリートビューで実際の街並みを見てみると、エリアの違いを知ることができるかと思います。
用途地域の地域ごとの特徴を覚えるのが大変だと感じたり、イメージとして掴みにくい方は上記の方法で実際の街並みを見てみることをおすすめします。
以上が全国都市計画GISビューア(試行版)の具体的な遊び方です。
手始めに、今自分が住んでいる地域がどの都市計画にあたるのかを調べてみるのも楽しいと思います。ぜひ色々試してみて下さい。
ただ、繰り返しとなりますがこのWebサービスは試行版です。あくまで参考程度に、「ふーん、この自治体はこのエリアに住宅が多いんだねぇ」などのように使うといいでしょう。
参考|かんたん用語集
全国都市計画GISビューア(試行版)で提供中の都市計画データは、16種類です(2025年3月25日現在)。
その中でも「住む場所」を探している人が主に利用する項目は
都市計画区域
区域区分
用途地域
の3つです。
ここでは3つの項目に絞って、「住む場所」を探す時に知っておくべき用語を集めました。
都市計画法|国土の区分(ゾーニング)
用語解説の前に、日本が都市計画法によってどのように区分けされているのかを、視覚的に知っておきましょう。

※上図は「このとち」運営者が「全国都市計画GISビューア(試行版)」を楽しむために作った参考図です。都市計画情報のすべてを図に示したものではありませんのでご注意ください。(特に資格試験勉強中の方)
国土は「3つのレベル」で区分されます。
レベル1)日本国土を都市計画区域、準都市計画区域、その他に区分する。
レベル2)都市計画区域を区域区分(市街化区域と市街化調整区域)とその他に区分にする。
レベル3)市街化区域の中に用途地域を定める。
それぞれの意味をさっくり知って、「住む場所」を探す時に役立てましょう。
レベル1|都市・準都市計画区域
都市計画区域
一体の都市として総合的に整備、開発、保全する必要がある区域、または新たに住居向けや工業向けなどの都市として開発、保全する必要がある区域のこと。
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楽しみ方|都市計画区域をチェックに戻る
準都市計画区域
都市計画区域の外で乱開発防止のためや、放っておくと将来的な整備、開発、保全に支障が出ると思われる地域に定められる一定の区域
レベル2|区域区分
区域区分
都市計画区域内に、必要があれば定められる区分。主に勝手な市街化を防止したり、計画的に市街化を進めたい時に定められる。下記の3つの区域に分けられる。
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楽しみ方|区域区分をチェックに戻る
■ 市街化区域■
すでに市街化している(人口や建物が集合すること)区域、またはこの先大体10年以内に優先的、計画的に市街化していくべき区域のこと。
楽しみ方|区域区分をチェックに戻る
楽しみ方|用途地域をチェックに戻る
楽しみ方|詳細な地名をチェックに戻る
■ 市街化調整区域■
市街化(人口や建物が集合すること)を抑えたり、避けるべき区域。農地や山林など今の状態をこの先も保つつもりの区域。
楽しみ方|区域区分をチェックに戻る
楽しみ方|用途地域をチェックに戻る
■ 非線引き区域■
都市計画区域から市街化区域と市街化調整区域を除いた残りの区域。(全国都市計画GISビューアにチェックボタンは無し)
レベル3|用途地域
用途地域
市街化区域には必ず設定される地域。大きく分けて住居系、商業系、工業系の3種類に分かれ、全部で13種類ある。用途地域ごとに容積率や建蔽率が異なる。(簡単に言えば「建てられる建物の大きさや面積」が用途地域ごとに決まっている、と考えてください。)
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楽しみ方|用途地域をチェックに戻る
楽しみ方|詳細な地名をチェックに戻る
■住居系■
建物の高さや住環境など、建物の用途や目的別に以下の8種類に分類、指定される。
〇 第一種低層住居専用地域
低層住宅に関する良好な住環境を保護するために定められる
→楽しみ方|詳細な地名をチェックに戻る
〇 第二種低層住居専用地域
主として、低層住宅に関する良好な住環境を保護するために定められる
〇 田園住居地域
農業の利便化を図りながら、低層住宅に関する良好な住環境を保護するために定められる(全国都市計画GISビューアでは表示されない)
〇 第一種中高層住居専用地域
中高層住宅に関する良好な住環境を保護するために定められる
〇 第二種中高層住居専用地域
主として、中高層住宅に関する良好な住環境を保護するために定められる
〇 第一種住居地域
住環境を保護するために定められる
→楽しみ方|用途地域をチェックに戻る
→楽しみ方|詳細な地名をチェックに戻る
〇 第二種住居地域
主として、住環境を保護するために定められる
〇 準住居地域
道路沿いの地域の特性に合わせて、業務の利便性を高めつつ、住環境を守るために定められる
■商業系■
近隣住民の生活の利便性や、商業の利便性を踏まえて以下の2種類に分類、指定される。
〇 近隣商業地域
主に近隣住民に日用品を販売、供給する業種の業務効率を高めるために定められる
〇 商業地域
主に商業その他の業務の利便性を高めるために定められる
■工業系■
製造物の環境への影響の度合いや工場の規模などによって下記の3種類に分類、指定される。
〇 準工業地域
主として環境の悪化をもたらす恐れのない工業の業務効率を高めるために定められる
〇 工業地域
主として工業の業務効率を高めるために定められる
〇 工業専用地域
工業の業務効率を高めるために定められる
都市計画法で使われている文言をアレンジして上記の解説を作成しましたが、恐らく文章で読んでもイメージを掴むのは難しく思えます。
街の雰囲気を知るにはもちろん直接出向くのが一番ですが、中々全部を見て周るのも大変なので、ぜひ文明の利器グーグルマップで検索し、街並みを視覚的に比較してみて下さい。
まとめ
全国都市計画GISビューア(試行版)を先に使うと、土地勘のない場所でも引っ越し先の候補を見つけたり、探すヒントが得られます。
また都市計画法に関する専門知識を身に付ければ、更にその地域がどんな特色を持っているのか、これからどんな発展を遂げようとしているのかを知ることが出来ます。
試行版であることは注意しなければいけませんが、土地を探している人の便利ツールであることは間違いありません。
ぜひ活用してみてください。
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このページは、土地に関する法律用語などの一般的な概要を説明したものです。
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